11月29日(木) お茶のみという文化
その利用者さんと初めて顔を合わせた際の話題の多くは、
「よくお茶のみをするのよ。それが楽しいんだ。」
と、よく話をしてくれました。
しかし、歳を重ねる度に、あれほど足しげく通いあったお茶のみは、
いつの間にか、めっきりとその回数が減ってしまったとのこと。
「昔は、朝7時から、お茶のみの勧誘があったんだ。」
と、懐かしげに話される利用者さんも、すっかりと自分の居場所を茶の間から、
自室のベッドへと移されています。
「隣の婆ちゃんも、裏の婆ちゃんも、みんな違うデイサービスへ行ってしまったんだ。」
それぞれに、新しい居場所が出来たことで、
お茶のみという文化は、この利用者さんの地区では消滅しかかっているようです。
隣の垣根などあまりなかった時代は、寄り合ってお話をすることが何より
楽しかった時代でもありました。
しかし、今は、例え隣人であっても、顔を合わせる機会すら避けているように、
生活している人が多く溢れる時代です。
人と人との付き合いは、自分が選択した小さなコミュニティのみで行われ、
それ以外は、やり過ごすことが楽なんだと思われています。
お茶のみをこよなく愛する婆ちゃん世代は、まもなく新しい元号の到来とともに、
お茶のみ文化と一緒に消え入ってしまうのではないでしょうか。
時代は変わっていきます。
お茶のみは、家と家とを繋ぐ形から、共有される場所へと変化しています。
それがいわゆるサロンと称されるものが、一番近いものだと思われます。
お茶のみという昔ながらの文化は、名前こそ引き継がれ、
そうした場所と成りえるサービスへと移行されていきます。
この笑和感も、そうしたお茶のみの場として、共有されていければと思います。
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