10月10日(水) おつぼ拾い
10月も10日を迎えると、周囲の田んぼも、6割ほど稲が刈られた様子が見られました。
トラックの荷台には、たくさんのお米が積まれており、
慎重に農協へと入っていく様子が見られました。
今は、コンバインなど機械を使い、一日かそこらで稲刈りが完了してしまいます。
私が小学生だった頃に、鎌を使って稲刈りを行った思い出があると利用者さんにお話をしたところ、
何人かの利用者さんも、鎌で刈った経験があると手を挙げてくれました。
そうした稲刈りの思い出話の中で、今はなかなか口にする機会が減ってしまったイナゴの話も出たのですが、
ある道の駅を訪れた時、小さなカップに入っていたイナゴの佃煮が、200円でした。
イナゴが手軽に食べられなくなるなんて当時は思ってもみませんでした。
また、稲刈りが終わった後の田んぼで行うこととして、
利用者さんから、「おつぼひろい」という言葉が出てきました。
私は、初めて聞く言葉だったので、利用者さんに聞いてみると、
利用者さんが、小学3年生の頃に、学校で稲が刈られた後の田んぼに入り、
生徒ら皆で、こぼれた稲の穂を広い集めたのだそうです。
そうして集めた穂を、ござの上に集めると、それがお金に変わったのだそうです。
そうしたものが、学校で使われたり、生徒さんにも鉛筆とかで還元されたとのことでした。
この話を聞いて、一番に思ったのが、塵も積もれば山になるということわざです。
利用者さんが言っていた、おつぼ拾いとは、落穂拾い(おちぼひろい)のことであり、
こうした様子は昔の貧しい農村地でも見られた光景だとかで、
フランスの画家ジャン=フランソワ・ミレーも、絵画として、その表題で作品を発表しております。
利用者さんの何気なく発した言葉は、フランスの絵画にまで、発展してしまいました。
今は見られない光景の一つとして、当時の学校の教育の在り方などが見えてくるというものです。
参考 落穂ひろい
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