2月23日(木) 先人の知恵
朝から雨降る一日でしたが、山際にはまだ雪が多く残っていました。
ある利用者さんの自宅前は、坂になっており、
車が上っていくには、雪がまだ多く残っていたので、歩いて自宅へ向かいました。
利用者さんは、黒い長靴で登場されましたが、
その長靴には、普段目にしないある工夫が施されていました。
それは、長靴に藁の紐が一本ずつ、巻きつけられていました。
坂道で雪に滑って足をとられないようにと、利用者さんがとりいれた先人の知恵でした。
思わず、感心したところです。
帰りの送迎時に、その利用者さんの自宅前にある松のことを、何気に話題にしたら、
その利用者さんが、急に正面にかっと向き直って、
「あの松は、私が15歳の時に、月山に登った際に見つけたもので・・・」
と、誇らしげに語りだされました。
私は、目の前の立派な松のことを話題にしたのですが、
利用者さんが指しているのは、脇にあった、ちょっと細い形の変わった松でした。
利用者さんの年齢から考えると、その月山から持ち帰られたという小さな松が、
この大きさまで育ったというのであれば、80年近くかけて成長したことになります。
利用者さんが、自慢されていたのは、その松が普段目にしてきた松の種ではなかったからです。
枝の形が、上に反り返るような変わった形の松でした。
この松は、家にしかない松だと自慢されていた利用者さんは、
この地が大好きだと話されていた理由の一つに、
この自慢の松も含まれているのだろうと思いました。
これからも、この松を見ながら利用者さんは、日々を過ごされていくのでしょう。
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