6月10日 手
利用者さんを前にすると、自然に手を差し伸べてしまうのが当たり前になっています。
そうすると、利用者さんも私の手を取ってくれ、一緒に歩いていきます。
この業界では、ごく自然な行動になっておりますが、
福祉サービスを利用して間もない利用者さんなどには、
いささか特別にうつることもあるようで、私などの利用者さんからすれば孫の年頃の兄ちゃんと
手を握ると、にこにこされる利用者さんもおります。
それはそれで、嬉しいのですが、逆にこちらが気恥ずかしくなるところもあります。
男性の利用者さんの手は、長年、現場や農作業で培った分厚い手をされています。
当時から比べると、思うように動かなくなってしまった手もありますが、
今は、その手で職員の手を優しく握り返してくれるのです。
ある利用者さんは、手が痺れていることを気に病んで、
痺れている指先を切ってしまいたいと、訴えられたこともあります。
思うように動かなくなっていくのを身近に実感するのが、その手だと思います。
多くの利用者さんが笑和感を訪れました。
その全ての利用者さんの手をとってきました。
これからも、たくさんの人の手を携えていくことになるのでしょう。
その手は、きっと温かいのです。
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