4月4日(火) お弁当の話
送迎の車中で聴いたお話ですが、
その利用者さんは、旅館の娘さんとして育てられたのだそうです。
旅館は、常に人の行き来があり、朝方は最も忙しい時間帯でした。
その忙しい朝の時間に、お弁当を作ってもらう余裕はなかったのだそうです。
その当時、娘さんだった利用者さんは、学校でのお弁当の時間が嫌いだったそうです。
お弁当が自分だけ間に合わなかったからではありません。
お弁当は、お昼近くになる頃に、家族の方が持ってきてくれたのだそうです。
なら、旅館の余ったおかずが入った、見栄えのするお弁当だったからなのでしょうか。
それも違うようです。
なぜ、嫌だったのかと言うと、
自分のお弁当の御飯だけ、湯気が立ち上っていたからなのだそうです。
皆は、冷めてしまった御飯なのに、
自分だけ温かいご飯を食べられるのが、嫌だったのです。
また、旅館で出る余りものは、見栄えは良かったのかもしれませんが、
利用者さんは、おかずは塩魚と漬物だけにしてともお願いしたのだそうです。
そういったお話は、利用者さんの人となりを物語られているなと感じました。
湯気が立つ御飯が嫌だったという、ある利用者さんのお話でした。
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